報酬規定

 更新日/2019(平成31→5.1令和改元)年12月20日

 ここで、宅地建物取引業者の報酬規定を確認します。

 2011.07.31日


 宅地建物取引業者の報酬額規定

宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第46条第1項の規定に基づき、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は次のとおり定められています。

宅地建物取引業法第46条

 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
 国土交通大臣は、第一項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。
 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。

 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額

 (昭和451023日建設省告示第1552号)
 最終改正 平成16218日国土交通省告示第100

 第1 定義

 この告示において、「消費税等相当額」とは消費税法(昭和63年法律第108号)第2条第1項第9号に規定する課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する金額をいう。

 第2 売買又は交換の媒介に関する報酬の額

 宅地建物取引業者(課税事業者(消費税法第5条第1項の規定により消消費税を納める義務がある事業者をいい、同法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)である場合に限る。第3から第5まで及び第7において同じ。)が宅地又は建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買又は交換の媒介を含む。)は、依頼者の一方につき、それぞれ、当該売買に係る代金の額(当該売買に係る消費税等相当額を含まないものとする。)又は当該交換に係る宅地若しくは建物の価額(当該交換に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは、これらの価額のうちいずれか多い価額とする。)を次の表の左欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の右欄に掲げる割合を乗じて得た金額を合計した金額以内とする。
 (当社概略、宅地建物取引業者は、売買又は交換を取引するにつき、依頼者の一方から貰うことのできる報酬金額を下記の通りとする

売買金額 報酬料率
200万円以下の金額  100分の5.25
200万円を超え400万円以下の金額   100分の4.2 100分の4.2
400万円を超える金額            100分の3.15 100分の3.15
 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(いわゆる仲介手数料)は、昭和45年10月23日建設省告示第1552号(最終改正 平成16年2月18日国土交通省告示第100号)及びそれに基づく宅地建物取引業法第46条によってその金額が上限規定されている。但し、宅地建物取引業法が規制の対象としているのは「宅地」である。業法上の「宅地」とは以下のいずれかの要件を満たすものを云う。
現に建物が存在する土地。
建物を建てる目的で取引される土地。
都市計画法で主に都市部に定められる用途地域内の土地すべて。

 第3 売買又は交換の代理に関する報酬の額

 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該代理に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)は、第2の計算方法により算出した金額の2倍以内とする。ただし、宅地建物取引業者が当該売買又は交換の相手方から報酬を受ける場合においては、その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が第2の計算方法により算出した金額の2倍を超えてはならない。

 (当社概略、宅地建物取引業者の宅地又は建物の売買又は交換の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額は、第2の計算方法により算出した金額の2倍以内とする

 第4 貸借の媒介に関する報酬の額

 宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の1月分の1.05倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の1月分の0.525倍に相当する金額以内とする。

 (当社概略、宅地建物取引業者が貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、借賃の1月分の1.05倍に相当する金額以内とする。この場合において、依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は借賃の1月分の0.525倍に相当する金額以内とする

 第5 貸借の代理に関する報酬の額

 宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該代理に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)は、当該宅地又は建物の借賃の1月分の1.05倍に相当する金額以内とする。ただし、宅地建物取引業者が当該貸借の相手方から報酬を受ける場合においては、その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が借賃の1月分の1.05倍に相当する金額を超えてはならない。

 (当社概略、宅地建物取引業者が貸借の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額は、借賃の1月分の1.055倍に相当する金額以内とする

 第6 権利金の授受がある場合の特例

 宅地又は建物(居住の用に供する建物を除く。)の賃貸借で権利金(権利金その他いかなる名義をもってするかを問わず、権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいう。)の授受があるものの代理又は媒介に関して依頼者から受ける報酬の額(当該代理又は媒介に係る消費税等相当額を含む。)については、第4又は第5の規定にかかわらず、当該権利金の額(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとする。)を売買に係る代金の額とみなして、第2又は第3の規定によることができる。

 (当社概略、賃貸借の権利金の授受があるものの代理又は媒介に関して依頼者から受ける報酬の額については、当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなすことができる

 第7 第2から第6までの規定によらない報酬の受領の禁止

 ①宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、第2から第6までの規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。

 ② 消費税法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務を免除される宅地建物取引業者が、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し受けることができる報酬の額は、第2から第6までの規定に準じて算出した額に1.05分の100を乗じて得た額、当該代理又は媒介における仕入れに係る消費税等相当額及びただし書に規定する額を合計した金額以内とする。

 附則
 附則(平成元年2月17日建設省告示第263号)この告示は、平成元年4月1日から施行する。   附則(平成9年1月17日建設省告示第37号)この告示は、平成9年4月1日から施行する。
 附則(平成16年2月18日国土交通省告示第100号)この告示は、平成16年4月1日から施行する。
 (平成23年8月1日現在)


 現在、宅地建物取引業者の報酬とは別に広告宣伝費、賃貸更新料の還付、コンサルタント料等の問題が発生しております。それぞれの上限規定がない為に多少混乱しております。これについては別途考察したいと思います。



 宅建業法の関与しない取引の報酬額について
 山林の売買で知っておきたい注意点と相場の調べ方・仲介手数料・税金を解説」その他参照。
 1.山林の売却価格
 山林取引にはなかなか買手が現れない。不動遺産会社に依頼をしたとしてもすぐには売れない。山林を売却するには、「価格を非常に安く設定すること」と、「気長に売ること」の二点が必要。「イエウール」という不動産一括査定を使うと、地域密着の不動産会社を容易に探すことができる。しかも無料で利用できる。「HOME4U公式サイトはコチラ」。
 2.山林価格要因
 山林価格要因は次下の通り。日照、乾湿、雨量等の状態。標高、地勢等の状態。土壌及び土層の状態。木材の搬出、運搬等の難易。管理の難易。公法上及び私法上の規制、制約等。
 上記要因の「公法上及び私法上の規制、制約等」につき、山林に関してはその利用を規制する法律も多いので、これを確認しておく。

 【山林の利用を規制する法律一覧】

 山林に関連する法律(適用区域・制限される行為等)
 都市計画法市街化調整区域内における切土、盛土等の造成工事
 宅地造成等規制法宅地造成工事規制区域内における切土、盛土等の造成工事
 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律急傾斜地崩壊危険区域内の工作物の設置等
 都市緑地法特別緑地保全地区内の建築物の新築、土地の形質変更※等
 地すべり等防止法地すべり防止区域内の地下水の誘致や停滞等、ぼた山崩壊防止区域内の土石の採取等
 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律土砂災害特別警戒区域内の都市計画法上の一定の開発行為
 生産緑地法生産緑地地区内の建築物の新築等
 森林法保安林の立木の伐採
 このような規制のため、山林に厳しい利用制限がかかっていると価格を大きく下落する場合もある。規制は価格に影響するので注意が必要。
 3.【図解付き】山林の価格の具体的な調べ方と手順

 山林のおよその価格を都道府県地価調査から調べることができる。まず、国土交通省の「標準地・基準地検索システム」のサイトにアクセスする。ここで、「都道府県単位で検索」という部分に必ずチェックを行い、自分の調べたい都道府県をクリックする。次に「林地(都道府県地価調査のみ)」をチェックし、検索をクリックする。すると以下のような検索結果が出てくる。自分が持っている山林の近くの価格を調べると、およその金額が分かる。

 ざっくり言うと、山林の価格は周辺の宅地の価格の100分の1程度の単価である。「山林はいくらなの?」と思ったら、だいたい周辺の土地価格の100分の1程度の価格と思っておけば当たらずとも遠からずになる。

 4.山林を売却するときの仲介手数料
 山林の売却を不動産会社に依頼すれば「仲介手数料のようなもの」が発生する。「ようなもの」というのは、正確に言うと法律で定められた仲介手数料ではないためである。宅地建物取引業法の仲介手数料規定によれば、山林は宅地には該当しないことになる。そのため山林の売買に伴う仲介手数料は任意に話し合いで決めることができるとされている。要するに、山林取引は宅地建物取引業法の規制の対象になっておらず、山林売買は誰でも仲介できる。その際の仲介手数料を規制する法律がない。

 但し、一般的には不動産会社が仲介を行った場合の仲介手数料は宅地建物取引業法の規定に準ずることが多い。
 5.山林を売却したときの税金

 山林所得の計算方法

 個人の所得には、給与所得、不動産所得、譲渡所得、事業所得、山林所得、退職所得、利子所得、配当所得、一時所得、雑所得の10種類の所得がある。このうち、山林を売却したときの所得は「山林所得」になる。通常、不動産を売却したときの所得は譲渡所得だが、山林を売却したときだけは山林所得と言う特別な所得が発生する。山林所得の正確な定義は以下の通りです。

 【山林所得の定義】

 山林所得とは、山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得をいう。ただし、山林を取得してから5年以内に伐採又は譲渡した場合は、山林所得ではなく事業所得か雑所得になる。また、山林を山ごと譲渡する場合の土地の部分は、譲渡所得になる。山林所得は、以下の式で計算されるものになる。

 山林所得 = 総収入金額 - 必要経費 - 特別控除額(最高50万円)

 総収入金額とは売却額。必要経費とは、植林費などの取得費のほか、下刈費などの育成費、維持管理のために必要な管理費、伐採費、搬出費、仲介手数料など。ちなみに不動産を売却したときの譲渡所得は以下のようになります。

 譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

 山林所得との違いは「取得費」があるかどうかとう点。取得費とは購入額。山林は、先祖代々から引き継がれているものが多く、購入額が全く分からないことが多いので、山林所得は取得費を考慮せずに計算されることになる。

 税額の計算方法

 山林を売却したときの税金の計算方法は少し特殊で、税額は「5分5乗方式」と呼ばれる方法で計算される。5分5乗方式で計算される税額は以下の通りです。

 山林所得の所得税額 = 山林所得 × 5分の1 × 税率 × 5

 ここでポイントとなるのが税率です。税率は、山林所得そのもので決まるのではなく、「山林所得の5分の1」の金額で決まる。例えば山林所得が300万円であった場合、その5分の1は60万円。税率は、下表の所得税率より、300万円ではなく、60万円の部分から探す。60万円は「195万円以下」の分類であるため税率は5%となる。そのため税率は5%が採用される。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

 最後に、税率を乗じたものを5倍するという計算を行う。よって、最終的には山林所得が300万円だった場合の所得税は以下のようになる。

 山林所得の税額 = 山林所得 × 5分の1 × 税率 × 5 = 300万円 × 5分の1 × 5% × 5 = 60万円 × 5% × 5 = 3万円 × 5= 15万円

 山林所得は他の所得と分離して税額が計算されることがポイント。このような税額の計算を分離課税方式と呼ぶ。