マンションの床下配管の修繕費用負担について |
更新日/2019(平成31→5.1令和改元)年7月5日
ここで、「マンションの床下配管の修繕費用負担について」検討しておきます。 2019(令和元).7.4日 |
【マンションの床下配管の修繕費用負担について】 | ||||||||||||||||||||||
弁護士河原崎弘「階下の天井裏の排水管枝管は共用部分か、専有部分か 」参照。
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【漏水事故6つのポイント】 |
北林真一「管理組合役員必見!マンションにおける漏水事故6つのポイント~雨漏り、水漏れ~ 」参照。 |
①水漏れの発生箇所はどこか |
②水漏れの原因は何か
■水漏れの原因は、大別すると次の3つに分かれる。 ①居住者の使用上の過失などの人為的な原因に基づく場合 |
1の人為的な漏水事故の事例
各部からの漏水原因と防止策・窓からの漏水 ・バルコニーからの雨水浸入 ・上階バルコニーからの漏水 ・設備機器、配管類から漏れてくる水 ☆トイレ関連の場合 ☆その他の排水関連の場合 |
2の施工上やリフォームの際の工事業者の責任に基づく場合
水漏れの原因がマンション建設請負工事の不手際による場合があります。 ≪マンション建設請負工事の不手際による場合の事例≫
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3の人為的でなく共用部分または専有部分の老朽化による場合
≪人為的でなく共用部分または専有部分の老朽化による場合の事例≫
やっかいな事例建物の劣化に伴うトラブルで、専有部分を巻き込み、大事になる代表的なものが「雨漏り」です。その原因は千差万別で浸入箇所もさまざまです。 屋上部分 屋上の防水には、寿命がありますが、寿命に達していなくても、ドレンの清掃や防水層の定期点検を怠ると、漏水などを起こすことがあります。 壁面・窓まわり・掃き出し窓のサッシ下枠と防水層の間がモルタルのみで防水層との納まりが悪く、防水層の裏側に雨水が浸入 意外と気付かない防水端部の不具合特に最上階(上階が屋上の階)に住まわれている方だけに関係のある漏水です。屋上の床仕上げ面や防水層の劣化、ドレンの詰まり、パラペットまわりのシーリングの劣化など、考えられる原因はさまざまです。 ●ちょっと一言|シーリング材について |
③損害賠償責任を負うのは誰か
水漏れ事故が誰かの過失を原因としたものなら当然にその人が責任を負担します。他方、マンションの排水管の老朽化などが原因の場合には、その原因となった欠陥部分の所有者が責任を負うことになります。共用部分に原因があった場合には、区分所有者全員で共同して責任を負うことになります。 ≪損害賠償責任を負う事例≫
しかし、欠陥箇所である漏水部分がどこにあるのか、はっきりしていると問題ありませんが、はっきりしないケースもあります。区分所有法では、建物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その瑕疵は共用部分にあるものと推定しています。要するに、区分所有者全員が共同して賠償責任を負うことになります。この規定は、欠陥部分がどこにあるのか不明の場合を前提としていますが、欠陥部分が明らかだけれど、それが共用部分なのか専有部分なのか不明である場合にも適用があると解されています。 |
④原因追及の方法
水漏れの原因追及には、日時を特定し、以下の事項を確認します。
さらに、漏水の性質を確認します。
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⑤水漏れ箇所がわからない場合
水漏れの箇所がわからない場合は、専門業者に調査を依頼します。 管理会社に管理を委託している場合は、水漏れ情報を把握し、専門業者と日程緒性のうえ、原因が共用部分にある場合は、当事者へ原因と修理予定等について説明します。専有部分であれば、当事者間の解決となります。 調査方法として、通常は、漏水であれば、直上階の居住者に漏水の事実を確認し、漏水箇所の確認等の協力を求めることになります。この場合、管理組合や被害居住者から協力を求められた階上の居住者は、原則としてこれに協力する義務があります。 |
⑥損害賠償保険の申請
水漏れ事故として、思わぬ高額の賠償を負わされることがあります。 管理組合、所有者、賃借人のいずれも、事故に備えて損害賠償保険に加入しておくことが必要です。特に水漏れ事故の場合、共用部分か専有部分かが判然としないケースも多いので、管理組合が加入する「マンション総合保険」に特約を付加することにより、個人賠償責任を担保することができます。また、水漏れ調査費用まで支払われる保険もありますので、保険の賠償の対象、範囲等を確認しておくことが大事です。管理組合で水漏れ事故に備えた損害保険に加入している場合は、管理会社、保険会社に連絡をするなどして、保険申請の手続きを行います。 |
まとめ
住戸内の蛇口を全て締めた状態でも、水道メーターが動いているときは、漏水の恐れがあります。早急に管理会社へご相談ください。また、長期間留守にされる場合は、水道メーター横のバルブを閉めることをお勧めします。屋上の防水・外壁の仕上げ材などは直接日光・風雨・大気汚染などの厳しい自然環境にさらされており、経年とともに劣化が進行します。屋上と外壁は早めの定期点検、補修をお勧めします。劣化診断、リフォームについては、管理会社にご相談くださいね。 |
![]() 北林真一 あなぶきハウジングサービス 北林 真一(きたばやし しんいち)
大学卒業後、一貫して不動産業界に従事してきました。皆さまの大事なお住まい(マンション)のことは私にお任せください。 【得意分野】・合意形成の進め方 ・大規模修繕工事 【モットー】謙虚であれ、誠実であれ 【特技】日本酒と音楽(邦楽除く)は少しだけ詳しいです。 |